私は6月という月がポーカー本のための大きな月になるだろうということはわかっていた。6月末のWSOPの開催に合わせて、本の著者や出版社はこの大イベントが始まる前に、プレーヤーの手助けとなる土壇場の思考と戦略を売り出そうと町の本屋の棚へ殺到したようだ。Pat Walshの著書'How To Win The World Series Of Poker (Or Not)'「ポーカーのワールドシリーズで勝つ(or負ける)方法」はそういった本の一冊ではないが、あなたがぜひとも必要とするものを提供することで、ゲームをするのにきっと役立ってくれるだろう。それは軽はずみな瞬間と、ポーカーゲームで軽く笑うチャンスだ。
'How To Win The World Series Of Poker (Or Not)'「ポーカーのワールドシリーズで勝つ(or負ける)方法」(Penguin Publishingの子会社・Plume Booksより出版、書店及びAmazon.comにて13アメリカドル/17カナダドル)は、WSOPの1万ドルのチャンピオンシップイベントに勝ってポーカー界の頂点を極めようという、「馬鹿丸出し」だと自ら認めた彼自身の試みをつづったWalshの日記である。彼は地元カリフォルニア北部のカードルームを巡り、自分のゲームをレベルアップし、さらに彼の家族やとても個性的なキャラクター達との個人的なゲームワールドに逗留して読者を楽しませてくれる。これは、2005年ワールドシリーズ・チャンピオンシップへの参加、つまりポーカー界のオリンポス山を目指す道のりを行く旅なのだ。
Jim McManusによる独創的なポーカー本"Positively Fifth Street"に描かれた「陰」と比較すると、本書は「陽」であると言えるだろう。McManusの旅が2000年トーナメントの最終テーブルでの勝利で終わっているのに対して、Walshの旅は2005年のイベントで大した見どころもないままに終わる。しかしこの旅路でWalshは、カードの毎ターンでのほぼ「こうなるべくしてこうなった」という彼の思考回路を示しながら、表面的には彼の不安な心を和らげるジョークを飛ばしている。
How To Win The World Series Of Poker (Or Not)'「ポーカーのワールドシリーズで勝つ(or負ける)方法」はポーカーというゲームへの急進的な新しいアプローチを教えてくれはしないし、テーブルでの成功へと突然に「光を示す」こともしないだろう。けれどポーカーの世界でほとんど経験のない人がイベントで戦うという、挑戦と苦労を楽しむチャンスを与えてくれるだろう。我々が彼の旅を通して楽しみ、笑い、彼に同情する機会をくれたことで、Walshは賞賛されるべきだろう。この本は我々みんながポーカーを始めたばかりの頃に戻るために、読む価値が十分にあるのだ。そう、ゲームを楽しむ為に。