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ミドルポケットペアの戦略
2005-12-02
Mathew Rochman
多くのプレーヤーがミドルペアは実にトリッキーなハンドだと考えている。これらのプレーヤーが犯しがちな誤りは主に二つである。一つ目はプリフロップでの誤った判断である。もう一つはオーバーカードがボード上に出たときの対処法である。
勝つためには、出来る限り相手の手を正確に読むことが必要となる。しかしながら、相手の手を正確に読みきれない困難な場面であっても、あなたのポジションとポットに参加しているプレーヤーの人数があなたの判断に与える影響が極めて大きいことに注意すべきである。
(注:ここでミドルポケットペア(middle pocket pair)とは8~Jのペアのことである。しかし、以下で述べることはもう少し広げて7~Qのペアの場合にもあてはまると考えて良い。)
プリフロップでミドルペアをフォルドすべきとき
まず、馬鹿馬鹿しい位に単純な原則であるが、もし相手が自分よりランクの高いポケットペアを持っていることが確実であればプリフロップでフォルドすべきである。もちろん、自分が9-9を持っているときに相手がKKだと読んでフォルドした後で、実は相手の手がAQオフスーツであったという誤りを犯したくないと考える人がいることは理解出来る。しかし、最上級のプレーヤーでさえ、状況を読み誤って相手より強いハンドをフォルドしてしまうことはたまに起こることである(注:ミドルペアはAQオフスーツよりわずかに有利)。しかし、ながらこのようにたまにうっかり相手より強いベストハンドをフォルドしてしまうことは、むしろ、深い考えをもちディシプリンを確立し、相手のハンドを慎重に読むことに長けた優れたプレーヤーであることの証ではないかと私は考える。私がプリフロップのアクションから10のペアを捨てたときに、相手が更にランクの高いペアではなく、AKスーツのようなハンドをもっていた場合、確かに私の方が有利だったので結果的には間違いではあるのだが、有利な度合いは極くわずかなのである。
まとめて言えば、プリフロップで3人以上のプレーヤーが参加し激しくレイズ・リレイズが行われた場合や、リレイズした人間がプリフロップでかなり絞ってくるタイトなプレーヤーであった場合には、プリフロップでフォルドすることを一番に考えよう。
プリフロップでミドルペアをレイズすべきとき
プリフロップでミドルペアを自動的にレイズするという間違った打ち方をするプレーヤーは非常に多い。しかもその理由は深い考えに基づいたものではなく、「ミドルペアが来たから」という非常に単純なものである。J-Jや10-10をプリフロップレイズするのは、フィールドを狭くする(注:レイズすることによってそのゲームの参加者を少なくすること)チャンスがある場合のみであって、自動的にレイズするべきではない。これらのポケットペアは、そのゲームへの参加者が2人ないし3人の場合には強い手である。しかしながら、4人以上の参加者がいた場合、これらのミドルペアはフロップ以降で、スリーオブアカインドになるなど、より強い手になるラッキーがなければ勝ちきることは難しい。
従って、アーリーポジションの場合は、誰もコールしてなければレイズすべきである。また、ミドル~レートポジションの場合は、それまでにコールしたプレーヤーが一人しかいない場合はレイズして、フロップ以降の戦いをヘッズアップか3人に絞り込むべきである。
また、リレイズすることによってヘッズアップに持ち込める可能性が高い状況であれば、敢然とリレイズすべきである。しかし、それにも関わらずフロップで4人以上のプレーヤーが残った場合は、以降のプレーは注意深く行うべきである。
簡単にまとめれば、レイズする目的はただ一つ「フィールドを狭くする」ことのみなのである。従ってリレイズでヘッズアップに出来る状況なら必ずリレイズすべきである。フィールドを狭くすることに失敗した場合は、特にアーリーポジションであれば、フロップ以降は、すぐにでもフォルドするような慎重なプレーに徹するべきである。
プリフロップでミドルペアをコールすべきとき
レイズしても、フィールドが狭くならないことが予想されるときや、既に3人以上コールしたプレーヤーがいる場合はコールすべきである。これは、マルチウエイポットのフロップでセット(自分のポケットペアとボード上のカード1枚によるスリーオブアカインド)が出来た場合には、非常に有利な状況でありかつそのことが相手からは非常に見えにくい、素晴らしい展開になることを念頭においたものである。
また、多数のプレーヤーが参加しているゲームにおいては、あなたが勝てるチャンスはかなり低下しているということも意識すべきである。コールに留めておくことによって、フロップでオーバーカードが出たときでも、損失を少なくフォルド出来る訳である。8-8のような「弱い」手でプリフロップでレイズ・リレイズを行うプレーヤーは非常に多い。しかし、このようなプレーヤーがプリフロップでレイズ・リレイズすることにより降りるに降りられない状況となり、フロップでオーバーカードがあらわれて明らかに不利な状況になったにも関わらず、痛々しい位にベットやコールをするということも良く見られる。彼らはターンで8が出ることを期待している訳であるが、うまく行く確率は奇跡と同じ位の低さである。
二人のプレーヤーがコールしている状況でも、自分がレートポジションであればレイズすべきであるという考え方をするプレーヤーも多い。この打ち方に長所がないわけではない。しかし私の経験では、一度コールしたプレーヤーはこちらがレイズを行っても降りることは決してない。これらコールしたプレーヤーは自らレイズした訳ではないので、コールするには十分ではあるが、1スモールベット程度でフロップを見ることが出来、そこで何らかの進展があれば面白いといったレベルのハンドを持っていることが容易に推察出来る。例えばフロップでコールした二人のプレーヤーがQTとA9 suitedをもっており私自身は10-10であるとしよう。この場合プリフロップの段階での勝率はQTが25%、A9sが31%、私の10-10は44%である。
従って、敵の勝率を合わせれば56%となり、私の勝率44%を上回る。このような状況でレイズすることは、勝つ確率よりも負ける確率が小さいポットでレイズを行っていることになる。しかも、もしこの二人以外にもう一人コールしたプレーヤーがいた場合は、そのプレーヤーが持っているのが、たとえアンダーカード2枚(この場合、10よりランクの低いカード2枚)であったとしても、私の勝率は33%にまで低下する。従ってマルチウエイが見込まれる状況ではプリフロップではコールすべきなのである。アグレッシブに打つのは良いフロップにめぐまれてからで十分であり、それよりもフロップにめぐまれなかった場合に備えて出来るだけ低いコストでフォルド出来るようにしておくべきなのである。
また、コールに留めておくことによりポットを小さくすることが期待出来る効果があることも考慮すべきである。例えば、あなたが9-9、敵がAJをもっておりフロップが4-6-7であったとする。フロップであなたが打てば敵がフロップでフォルドすることが期待出来る。また、フロップで降りなかったとしても、ターンで進展がなかった場合、こちらが打てば相手は高い確率で降りてくれるであろう。しかしながら、こちらがプリフロップでレイズした場合は、相手はリバーまでコールし続けて逆転を狙おうとするだろう。なぜだろうか?それはあなたがレイズしたがためにポットが大きくなってしまい、相手としても降りるに降りれない状況をうかつにも作ってしまったからである。オーバーカード2枚をもっているプレーヤーにリバーまで追いかけられるような状況は望ましくない。
プリフロップで、既に二人のプレーヤーがコールしていたときにこちらもコールに留めておくことには、もう一つ非常に有益な点がある。コールに留めておくことによって、フロップで相手が、「自分のもっているカードがわかるような」プレーをしてくることが期待出来るのである。例えば上述の状況で、フロップがA-6-3だったとすればA9sをもっているプレーヤーは、プリフロップでレイズがなかったので恐らく素直にフロップでベットしてくるであろう。このようなベットがあれば、相手がAを持っているであろうことは容易に想像出来るので、こちらは降りることが出来るし損失もプリフロップでの1ベット分に抑えることが出来る。一方、こちらがプリフロップでレイズしていた場合はA9持ちのプレーヤーは、例えAがヒットしたとしてもチェックするであろう。また、こちらがベットすればコールするであろう。結果的に、こちらは相手の手の強さに関する情報を得られない状況に陥ってしまうわけである。プリフロップでコールすることによって、相手のカードが読みやすい状況を作ろう。
フロップ
プリフロップでレイズがなかった場合は、フロップでの打ち方は単純なパターンになる。オーバーカードが1枚ボードに出た状況で敵がベットしてくれば、通常はそのオーバーカードがヒットしたというサインであり、その場合私の10-10の勝率はわずか9%である。従ってこの場合はただちにフォルドする。また、ベットに続いて他のプレーヤーがコールした場合もフォルドを前提に考える。もちろんオーバーカードが2枚出た場合は考える必要もなくフォルドである。次のチャンスを待てばよい。
しかし、オーバーカード1枚の状況で、私が有利なポジションにあり私の所までチェックで回って来た場合には、フロップではベットすることが多い。但し、もしこれに対してコールしてきたプレーヤーがいた場合はターンとリバーではチェックすることを考える。
一方、フロップが2-6-8のようにアンダーカードのみである場合には、ベット&レイズすることが普通である。このようにして、私の手が強いことをはっきり示すと共に有利なうちにポットを大きくする。また、これによってオーバーカードを1枚しかもっていないプレーヤーがフォルドすることも期待する。プリフロップの項で述べたようにプリフロップでレイズの入っていない小さなポットなので、相手も降りやすいのである。
上の2つの状況では判断は単純である。難しいのはプリフロップでレイズがあってかつフロップでオーバーカードが1枚表れた場合である。この場合は敵を良く読んだ上で、アグレッシブにプレーする必要が出てくる。こちらが10-10をもっておりフロップがQ-7-4であったとする。プリフロップでレイズしたプレーヤーがベットしてきた。このとき私がまず第一に考えることは、「このプレーヤーはプリフロップでレイズしてきた後に、たとえフロップで何もヒットしていなくともどれ位の確率でベットしてくるのか」である。多くのプレーヤは例えばAK持ちでプリフロップでレイズしてきたときにフロップがQ-7-4であっても常にベットしてくる。もし相手がこのタイプのプレーヤーであればレイズすることによってヘッズアップに持ち込むべきである。フロップがQ-7-4であれば、あなたはAK持ちの相手に対して75%の勝率があり有利である。従って、その他のプレーヤーを振り落とすためにもレイズするべきなのである。もし相手の方が有利なポジションであり、既にヘッズアップになっているのであればチェックレイズを仕掛けよう。
このようにあなたがレイズしたとして、最初にベットした他のプレーヤー以外のプレーヤーがコールドコール(レイズに対してコールすること)してきた場合はどうであろう。この場合、コールドコールしたプレーヤーはQのペアかそれ以上の強さのハンドをもっていると考えるべきである。従って、ターンではフォルドに備えてチェックしよう。ときには、私のフロップでのレイズに対して二人のプレーヤーがコールしてくるが、どちらのプレーヤーもターン・リバーでベットしてこない結果ターンとリバーを(ベットに対してコールする必要なく)「タダで」見ることが出来ることもある。これはフロップでこちらのハンドの強さを示した副産物であり、結果的に負けていたとしてもフリーカードをもらえたのはおいしかったと考えればよい。
言い換えれば、プリフロップでレイズしたプレーヤーより自分の手が強いという確信があって、他のプレーヤーを降ろせそうな状況であればコールではなくレイズを敢行しよう。ここでコールに留めてしまうと、後ろのプレーヤーもコールしてきたときに、そのプレーヤーがどのようなハンドを持っているか分からない状況に陥ってしまう。たとえあなたのレイズに対して第3のプレーヤーがコールドコールしててきたとしても、あなたは全ての情報を入手出来るのである。もちろん多数のプレーヤーがあなたのレイズにコールしてきた場合は、少なくともその中の一人はオーバーカードがペアになった可能性は一層高くなるので、次のベットがあった段階で即座にフォルドしよう。
ターン
ターンまで行ってもオーバーカードが1枚も出てこなかった場合は、ここでもベットしよう。また、オーバーカード1枚、ヘッズアップであり、かつ相手の手の内はヒットしていないオーバーカード2枚(例えばAK)であると確信出来る状況であれば、もしコールされたらリバーではチェックすることを前提に、ターンではベットしよう。もし2人以上のプレーヤーがあなたのレイズに対してコールしてきているのであれば、ターンではチェック&フォルドに回ろう。またターンで2枚目のオーバーカードが出てベットが入った場合もフォルドしよう。これらの状況では自分に都合の良いように考えずしっかり降りるべきである。フロップのあなたのレイズに対して2人以上コールしてきた場合、ターンではあなたの所までチェックで回ってくることも多い。この場合にはこちらもチェックで回してリバーカードも「タダ」で見ることが出来ることを期待しよう。
まとめれば、ターンでもしベットのアクションがあるとすれば、私はこちらがベットする方に回りたいと考える。しかしながら他のプレーヤーがベットしてくれば通常はフォルドする。もしベットに値すると確信してベットしたにも関わらずレイズされれば直ちにフォルドしよう。
リバー
リバーのアクションは単純である。ボードがアンダーカードのみであればベットしよう。しかし、一番ランクの高いカードが2枚になった場合や、ストレートの可能性があるボードではチェック&コールに回ろう。
出来ればチェックで回してタダでショーダウン出来ることが理想的であるが、リバーでオーバーカードが出現して、しかもベットされた場合は相手はほぼ確実にあなたの10のペアよりも強いであろう。オーバーカードがペアになったプレーヤーは、こちらがベットしたとしてもリバーでは降りてくれないであろう。リバーで2枚のオーバーカードがある状況では敵のベットに対してコールすることは非常に難しい。
最後になるが、フロップでオーバーカードが1枚だったので先述のようにフロップでベットやレイズを行ったがターンはチェックで回ったときに、リバーでベットされたらどうするかはいささか微妙な判断が必要になる。リバーでベットがあった場合、通常は相手はオーバーカードがペアになっていると考えてよい。しかしながら、ターンがチェックで回った状況から判断して、相手が(こちらより低い)ミドルペアでベットしてきたりブラフベットをして来ている可能性もある。従って普通はフォルドで良いが相手がブラフを仕掛けてきているという感触があれば思い切ってコールすることも考えても良い。
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