WSOP敗戦記

WSOP敗戦記 0001

7月7日、$2,500のNo-Limit Hold’emに参戦した。2001年のTOCから実に5年ぶりのメジャートナメントである。

4日にベガス入りし、早速Rioの会場で申し込みを完了させる。

コンベンションセンターなので中も明るく、スポーツ会場のようである。以前のホースシューのような少し暗くて、「いかにもギャンブル」という雰囲気ではない。少し寂しい気もしたが、これもポーカーがメジャーになった証かもしれない。

特に事前の作戦は立てなかった。初めて参戦したTOCの時は、参加人数(約500名)に対してトッププロの比率が高かったので、「少しでも長くテーブルにいてトッププロを観察する」が主目的であったが、今回はあくまで上位入賞が目標である。しいて挙げれば、「タイトになりすぎないこと」を意識した。

最初のテーブルは、若いプレーヤーが多かった。そして硬い雰囲気で始まり、皆実にタイトである。一周観察すると面白いことを発見。左隣のプレーヤーは降りるハンドの時は、テーブルより離してカードを持つが、いい手の時はチップの内側にカードを引き寄せる。その左隣のプレーヤーは、悪い手の時は、興味なさそうに横を向く。

これは、ラッキーな展開である。すぐに、ルース・アグレッシブにシフトチェンジ。ボタンのみならず、カットオフ、カットオフの手前、そのひとつ手前からでもスティールが敢行できる。

後ろの二人が行く気がない時は、カードを見ないでBBの3倍レーズした。L1(25-25)とL2(25-50)の前半半分くらいまでに、10回くらいスティールし、幸運なことに失敗は1回だけであった。その内カードを見なかったのは5回、コールは2回されたが、プロップ開いてからのベットで相手を降ろした。失敗はBBにリレーズされた時で、全く手無しであったが、さんざん考えたふりをしてから降りた。タイトな雰囲気(テーブルも、自分自身も)を壊したくなかったからである。

L2(ブライド25-50)が30分経過したあたりで3000点くらい持っていた(原点は2500点)が、突然テーブルブレークを知らされる。

「えっ」である。テーブルをブレークしたことに、ではない。テーブルブレークをすることに気がつかなかったことに、である。通常、回りを見渡して、そのへんの状況の把握は怠らないはずなのに今回は全く気がつかなかった。

移動したテーブルのポジションはアンダー・ザ・ガン(次BB)であった。両ブライドステーィルされた直後であったので、いやな展開である。

ここは、アクションが激しいようで、総チップ量は多い。3000点はアベ以下のようである。

BBの時、今回のキーハンドが来る。(ブライド25-50)

アーリーリンプ、カットオフリンプ、SBコールで自分のハンドは「10、10」。

「チェック」、「レーズ200」、「オール・イン」の3つの選択肢を考えた。

「レーズ200」は誰かとヘッズアップに持ち込みたいというベット(スティールできればベストだが)であるが、後ろ2人が降りてくれるかどうかわからず断念。(ハンドはいいがポジションが悪い)

「オール・イン」もAAのトラップ・リンプにひっかかるには、バカらしい状況(トーナメント序盤で、チップ量まあまあ)なので断念。

結局、まだこのテーブルは来たばかりで何もわからないという理由で、無難な「チェック」を選んだ。

フロップは「J J 7」(レインボー)。

微妙なボードである。Jというオーバーカードが2枚出ているが、1枚よりはいい。(残りは2枚である)

また、Jは、A、K、Qの3種類のカードよりリンプしたプレーヤーが持っている確率は小さい。

この時点で、「10、10」が負けている確率は35%程度と考えた。

で、SB「チェック」なので、自分もとりあえず「チェック」。誰かベットするだろう。すると、3番手が150点ベット(ポットは200点)。4番手フォールド、SBフォールド。

ベットしたのは、白人の30代くらいのプレーヤーで、プロ、プロ級には見えない。肌が異様に白い。オタクっぽい雰囲気であったが、あまりブラフを打つタイプには見えなかった。

ブラフでないとすると、アーリーポジションのリンプを勘案して、ミドルペア、スモールペア、Jがらみであれば、JA、JK、JQs、J10sあたりか。

こちらも降りる気はないが、ポジションが悪い。コールをしてしまう次のベットがないので、「リレーズ・メイク300点」で相手の様子をうかがう。Jを持っていると判断すれば、この300点は捨てるつもりである。

すると相手は激しく動揺した。頬に両手をあてて悩み、チップ量を数え(自分と同じくらい)、頬に両手をあてて悩み、を繰り返す。結局30秒くらい悩んだ結果、出てきたアクションは「コール」。

「ん?150点ベットした後の150点コールことに何でそんなに悩むのだ?Jがあればとりあえずコールだろう。残り1枚だし」、ということでJはないだろうと判断してしまった。

ターンは「3」。

自分から、600点ベット。相手は同様のアクションを繰り返したが今度はさっきの半分くらいの時間でコール。

「何?J持っているのか?」

リバーは「5」。

チェックすると、相手はほっとした顔で自分からあわててショウダウンした。

「K、J」

「そのハンド、フロップ時では、AJ、77の2つの組み合わせしか負け目はないだろう」

この時彼のスキルと性格がわかったが、時すでに遅し。

こちらも「10、10」を見せながらマックした。

彼はハイカードが2枚あれば、ポジションに関係なくリンプし、ボードと良くマッチし、その後7000点くらいまで増やしていった。(自分からベットはあまりしないので毎回ショーダウンしていた)

この勝負で1000点近く失点し、次のBBで今度は「6、6」が入り、ボタンがスティール気味の150点ベットにコール。

フロップ、「8、5、3」で自分「チェック」に「150点ベット」。「メーク300点のチェックレーズ」をすると相手はイヤイヤコール。

ターンは「10」でいやなカードであったが、「600点ベット」すると、「I’m all-in!」と言われ、「J、9」くらいの可能性はあるが、結局コールすることができず、ここでまた1000点以上の失点。

その後は一進一退を繰り返し、少し盛り返したL3(ブラインド50-100)の途中でテーブルブレーク。(今度はわかっていた)

1300点持って行ったテーブルで、またポジションはアンダー・ザ・ガン。2ハンド目のBBで「AKs」を引く。

ボタンからスティール気味に300点ベット。このハンドは何も考えずに「I’m all-in!」である。

ディーラーに「1000 to call now」と言われ、相手は悩みに悩む。

単なるスティールではなく、マージナルハンドらしい。こちらとしては、勝てば原点復帰なので、どちらでもいいという心境。でもスモールペアは少しイヤかな。

チップ量を何回も数え、負けても3000点強残ることを確認してから「コール」

出てきハンドは「2、2」

「やっぱりか」

フロップでは、ハイカードも、持っていたスペードも落ちず、ターンとリバーに皮肉にもスペードが落ちて終了。

今回は消化不良のまま終わってしまった。

最初の「10、10」のハンドでは、4つ目の選択肢として、「レーズ500または600」を考えるべきだった。相手がわかないということであれば、向こうもこちらがわからない。ビックハンドを持っていなければなかなかコールができないであろう。コール、またはレーズされればあきらめればいい。どうしてもチップを守りたければそうするべき。また、様子を見るためにチェックをしたのなら、最初のチェックレーズにコールされたら、ターンは自分からベットするべきではない。(相手からベットされればその時点で判断すればいい)

これが自分のプレースタイルであるはずなのだが、どうもチグハグになってしまった。

次の「6、6」にしても「相手が何もない」と思っているのだからフロップ時の150点のベットに対して、チェックレーズ・メーク300点はない。ポットからしても450点から500点をベットして、チップを取りきらなければならないと思う。(一つ前の負けが頭をよぎって弱気になったのは事実であるが)

普段ならそうしていたと思うが、なぜできなかったか?

これが今回の反省点である。

何人かの日本人プレーヤーとご一緒させていただき、実際のプレーを見たり、終わってから感想を聞いたりしましたが、やはり経験の絶対量が少ないためか、自分も含めて普段どおりにプレーできないことが多かったようです。

タイト系のプレーヤーはそれほど影響を受けないようですが、ルース系のプレーヤーは場の雰囲気にのまれると、なかなか特徴が発揮できないことが多いようです。

経験を積まないと克服は難しいとは思いますが、「自分のプレースタイル」を意識してプレーすることは大事だなと改めて感じたしだいです。

来年以降もWSOPのみならずメジャートナメントに参加して、いつかブレスレッドを奪取したいと改めて思いつつ、今回の敗戦記とさせていただきます。

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